Be Waltz.

毎日をワルツみたいに👗お仕事もお洒落も、人生ぜんぶ楽しむのだ💎

Be Waltz.たまにはコーヒーと一緒にいかが?言葉のパワーに触れる!詩のススメ。

こんばんは、アビゲイル金子です。

あびーって、呼んでね♡


今日は、美味しいコーヒーといっしょに、

ゆっくりと嗜みたくなる詩の世界をご紹介したいと思います。


一見、日常生活とは大変に縁遠いと思われがちな

「詩」ですが、これほど日常生活と結びついた

文学作品はないと思います。


理路整然としたビジネス書と日々にらめっこしている

方は、たまには、詩集なんかに手を伸ばしてみると

新しい発見があるかもしれません。


そこで、今回はアビーが独断と偏見で

「読みやすい」と思った本をご紹介します✨


1. 私―谷川俊太郎詩集


日本の学校生活を体験したことがあるなら

誰もが知っているであろう、巨匠、

谷川俊太郎さんの詩集です。


谷川さんは1952年に「二十億光年の孤独」で

デビューを果たし、現在も精力的に活動を続けている

日本を代表する詩人のひとりです。


私は背の低い禿頭の老人です――『自己紹介』(2007年)

自己紹介


私は背の低い禿頭の老人です

もう半世紀以上のあいだ

名詞や動詞や助詞や形容詞や疑問符など

言葉どもに揉まれながら暮らしてきましたから

どちらかと言うと無言を好みます


私は工具類が嫌いではありません

また樹木が灌木も含めて大好きですが

それらの名称を覚えるのは苦手です

私は過去の日付にあまり関心がなく

権威というものに反感をもっています


斜視で乱視で老眼です

家には仏壇も神棚もありませんが

室内に直結の巨大な郵便受けがあります

私にとって睡眠は快楽の一種です

夢は見ても目覚めたときには忘れています


ここに述べていることはすべて事実ですが

こうして言葉にしてしまうとどこか噓くさい

別居の子ども二人孫四人犬猫は飼っていません

夏はほとんどTシャツで過ごします

私の書く言葉には値段がつくことがあります


これは谷川さんが自己紹介と称した一編なのですが

自虐的なネタでクスリとさせつつ、

「私の書く言葉には値段がつくことがあります」

という一文で、彼の職業・立ち位置というものを

現実的に理解することができますね。


2. 吉野弘詩集


自分自身に   


他人を励ますことはできても

自分を励ますことは難しい

だから―――というべきか

しかし―――というべきか

自分がまだひらく花だと

思える間はそう思うがいい

すこしの気恥ずかしさに耐え

すこしの無理をしてでも

淡い賑やかさのなかに

自分を遊ばせておくがいい


吉野弘さんは戦火を体験した後、

2014年に亡くなるまで生命や人間の心を

描き続けたとても有名な詩人です。


代表作には「夕焼け」という作品があり、

教科書にもよく登場します。

人の持つ二面性や人間の内側、といったところを

抉るように表現しています。


彼の「自分自身に」という作品では

人間の弱さと、それに向き合って

乗り越えようとするエールのようなものを感じます。




3.穂村弘(短歌)


最後にご紹介するのは、穂村弘さん。

俵万智の男性版とでも言うべきか、

彼は強烈な個性を匂わせる、平成の短歌界を

牽引する方です。


終バスにふたりは眠る紫の〈降ります〉ランプに取り囲まれて


情景が目に浮かぶようですね。

仕事終わりか逃避行か、

寂しくも暖かな光に包まれている光景が浮かびます。



サバンナの象のうんこよ聞いてくれだるいせつないこわいさみしい


かと思えば、はたまたこんな本音もぶちまけてしまうんですね。

友達にも同僚にも言えない悩み。

というか、悩みまでも行かない、私たちが常に持ち歩いている心の底の澱(おり)のようなものを、

「サバンナの象のうんこよ」という一言で

表現してしまうなんて

そして、この詩からは穂村さんの男子校のような

男くさ〜い一面を感じることもできて、

とっても面白いですね。


以上、3名の詩人と、その代表作をご紹介しました。


ちょっと一息つきたいなあ、という時に、

たまには詩・短歌の世界に足をふみいれてみては

いかがてしょうか?

×

非ログインユーザーとして返信する